2009年7月7日に登った北海道遠征登山第2弾 知床連峰三ツ峰・サシルイ岳縦走
羅臼岳花畑を堪能する登山の模様を振り返る。


花々咲き乱れる雲上の楽園風景を期待して、知床連峰三ツ峰サシルイ岳を歩いてきた。
知床連峰に入るのはこれが3回目であり
その展望の素晴らしさ・特異な地理的要素・原始性・から非常に好きな山塊である。

ちなみに
1回目のコース
岩尾別登山口→羅臼岳→三ツ峰キャンプ指定地で幕営→硫黄山まで縦走予定もガスの為敗退

2回目のコース
岩尾別登山口→羅臼岳→二ツ池キャンプ指定地で幕営→
硫黄山(硫黄山登山口へは降りられない為ピストン)→三ツ峰キャンプ指定地で幕営→岩尾別下山

と歩いているのだが、いずれも花の最盛期には登っていない為、是非最盛期に登ってみたいと思い
今回また登りにいったのだ。

朝3時国設ウトロ野営場で起床、キャンプ場から少し歩き
知床連峰方面の雲の様子を見てみると、薄い笠雲のような感じで山塊の上部が覆われているのが
見える。    う~~~む・・・・・ 登るべきか、登らざるべきか微妙である。

朝食の大盛りカップラーメンをすすり荷済みを終えると
昨日と同様、ひとまずウトロ漁港の知床連峰の山塊が見えるポイントへ行き、雲の様子をうかがう。

で、友人Pの決断は早かったのだ。
何を根拠にガスが晴れると判断したのかは分からないが、登る事に決めたようで
いったんキャンプ場まで戻り、未だ登るかどうか決めかねている僕を降ろすと、車で去っていった。

僕は僕で、今度は自分の車に乗って再びウトロ漁港で様子をうかがう事に。
しばらくぼけ~~~っと知床連峰を眺めていると、なんだかだんだん雲が薄くなっていき
羅臼岳の山頂部が顔を見せ始めたのだ。
いつもは裏目に出る友人Pの決断が、今度ばかりは当たったのか!

「こりゃあ行けるだろう」と根拠無く確信すると、セブンイレブンで山飯を調達
友人Pに遅れること1時間弱、登山口である岩尾別温泉へと向かう。

岩尾別温泉の裏手に車を駐車すると「木下小屋」を左手に通過
6時頃、とりあえずは羅臼平へ向けゆるゆると歩き始めた。

まずは樹林を一定斜度で淡々と30分も登ると「オホーツク展望台」、眼下に海が見え始める。
さらに少しで「650m岩峰」を通過、出発から1時間経過したので、「弥三吉水」の手前で休憩する。

650m岩峰辺りからオホーツク海(2005年9月撮影)
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行動食を少し喰らい10分程休むと出発
途中木立の間から三ツ峰サシルイ岳などが見え、徐々に雲が薄くなっていくのが分かる。

雪渓が残っている箇所が数箇所あるが、危険なトラバースがある訳ではなく、問題なく通過。
「銀冷水」を過ぎるとほどなく「大沢の雪渓」が見えてくる。7月初旬という事もあり雪の量が多い。
「白馬の大雪渓よりすごいわ~」なんておばさんが言っていたが、まあ、そんな事はない。

大沢の雪渓 奥は三ツ峰
siretoko_2009_8_30_001.jpg

ここで6本爪軽アイゼンをつけ淡々と上っていくと、三ツ峰にかかっていた雲もすっかり無くなり
青空の蒼さに気分も上々となる。

20分ほどで大沢の雪渓を終え、ガレた斜面を羅臼平へ向け登っている時である。
なにやら怪しげな濃いガスが、もくもくと東側(羅臼側)から大量に流れ込んでくるではないか。

で、9時頃羅臼平へ着く頃には、すっかりガスガスの有様であった。「なんじゃあ~~ こら~~~!」
お~~ このガスの中、友人Pは何処を彷徨っているのだろう。

「まあ、ひとまず粘ってみるか」という事で、三ツ峰分岐で腰を下ろし、しばし ぼ~~~~~~~~
昨日の斜里岳の事、天気予報が下方修正を繰り返す事、昨年7月の北海道の天候不順の事
などが頭を廻り、「今年の北海道遠征もまた報われる事がないのか」とふて腐れてみる。

30分ほども粘っていると、たま~~にではあるがガスが切れ青空が覗いたりし始める。
羅臼平に居るのも飽きたので、とりあえず三ツ峰へ行く事とする。

ここからは急に登山道が狭くなり、ハイマツを掻き分けて進んでいく。
あまり人が入っていない証拠で、ここからが知床連峰の核心部であり、僕が入りたい場所である。

勢い良く咲くチシマノキンバイを横目にしつつ15分も上ると、三ツ峰(3つのコブ)のコルへ出る。
ここで再び腰を下ろし、ガスが晴れることを心から願いつつ待つ。

とどうだ
羅臼側から吹き込んでいたガスの勢いが徐々に弱まり、時折羅臼岳が姿を現し始めたのだ。

で、粘ること20分でついに羅臼岳の全容がど~~~~~~~~ん っと 眼前に展開した。
神々しい ・・・・・・・・・・・・・・・・。
優美で荘厳な塊から、僕はなぜか目をそらす事ができない。
その姿は理屈ではなく強烈に僕の心を惹き付けるのだ。予期できないほどの感動が僕全体を包む。

ついに姿を見せる羅臼岳
siretoko_2009_8_30_002.jpg

いやあ~~~~~~  粘った甲斐があった。
「~アルプス」だけが山ではないのだ。知床連峰の素晴らしさを改めて噛み締める思いである。

羅臼岳の姿を堪能した後、サシルイ岳方面へ再び歩を進めると、次々に花々が僕を迎えてくれる。
ハクサンチドリ・ツガザクラ・チシマノキンバイなどが競い合うが如く斜面を彩る。
もう夢中で撮影しまくる。

三ツ峰の斜面を埋め尽くす花々
siretoko_2009_8_30_006.jpg

が、未だ北方方面のガスは切れず、サシルイ岳がたま~~に切れ目から姿を現す程度なので
3度目の待機。腰を下ろしガスが晴れる事をひたすら念ずる。

徐々にではあるがガスの切れる時間が長くなり、時折硫黄山も見える程になってきた。
日帰り装備・もうあまり時間も無いこともあり、サシルイ岳へ向け三ツ峰を下っていく。

勢いよく咲くチシマノキンバイソウ
siretoko_2009_8_30_003.jpg

10分も下ると三ツ峰キャンプ指定地、 とサシルイ岳から降りてくる人間がいる。 ん・・ である。
ガスの中、サシルイ岳で粘っていたらしい。

Pは羅臼岳については不運な男で、晴れた羅臼岳山頂に立った事がないのだ。
で、いまなら羅臼岳晴れているので、すれ違うときに「早く羅臼岳へ行ったほうが良いぞ」と促す。

羅臼岳山頂から知床連峰を望む(2005年9月撮影)
siretoko_2009_8_30_009.jpg

未だサシルイ岳方面のガスは切れない為、もう暫く三ツ峰キャンプ指定地で粘った後
下り始めなければいけないタイムリミットが近づいている為、サシルイへ再出発。

花畑を過ぎるとガレた道となり、上るにつれガスがどんどん晴れていく。祈りが通じる時もあるものだ。
12時40分頃、サシルイ岳の肩へ着く頃にはもうガスは切れていた。

三ツ峰キャンプ指定地周辺に咲くコザクラ
siretoko_2009_8_30_004.jpg

ここ、羅臼岳の展望が最っ高~~~~である。
三ツ峰の背後に鎮座する羅臼岳・海に挟まれているという特異な雰囲気など
完璧な対比で展開する圧倒的な風景美に、ただただ鳥肌と共に立ち尽くすばかりだ。
うっすら泣きそうである。なんだか知らないが感謝と感動で何か叫びたくなる。

サシルイ岳より羅臼岳
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北方方面のガスもほぼ切れ、オッカバケ岳の向こうに知円別岳・コケシ岩・硫黄山が姿を見せる。
こちらも原始的で、知床連峰ならではの風景だ。

にしても静かだ。僕以外誰もおらず人の気配が全くない。
こんな素晴らしい風景を独り占めである。一歩羅臼岳を離れただけでこの贅沢だ。

感謝に包まれながら時間が許す限り風景を堪能すると、後ろ髪を引かれつつ下山を開始する事に
また絶対この風景に会いに来る。

Theatre Brook「太陽の落とし子」「ありったけの愛」
まわりに誰もいないので、鼻歌(かなり大きな歌声)交じりで下っていく。

再び三ツ峰上の花畑までやって来ると、北西コブへ向け踏跡がある為、慎重に花を除けながら上る。
頂部はちょっとした岩となっており展望が良い。僕は相変わらず羅臼岳から目を逸らす事ができない。
そうそう、今頃羅臼岳に居る筈のPも報われた事だろう。

北西コブを降り暫く歩くと、三ツ峰山頂部へ向け踏跡がありまだ少し時間的猶予がある為上っていく。
5分も歩くと三ツ峰山頂だ。

三ツ峰のコブよりサシルイ岳・硫黄山方面
siretoko_2009_8_30_007.jpg

ここで東部羅臼側の展望が開け、この山行で初めて羅臼の集落を望む。
空気が澄んでいれば、眼前に国後島が見えるのだが、今日は全く見えない。
北方方面には海に挟まれたサシルイ岳の緩やか山容が大きく望まれる。

午後2時50分 さあ、もう時間だ。非常に惜しいがさすがに帰らなければなるまい。
羅臼平まで下ってくると羅臼岳へ最後の一瞥、再開を誓い本格的に下山だ。

極楽平より羅臼岳を仰ぐ
siretoko_2009_8_30_008.jpg

大沢の雪渓の急斜面をいきがってグリセード→転倒→なんとか停止→誰も見ていなくて良かった。
で、誰とも会うこと無くマイペースで下っていくと午後5時、岩尾別温泉へ戻った。

羅臼岳登って良し眺めて良しの山である。知床連峰って素晴らしい。


北海道の写真コチラからどうぞ



[データ]

 登山日  2009年7月7日
 入 山  午前6時00分
 下 山  午後17時00分
 人 数  1人
 服 装  半そでシャツ 夏用ズボン


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